びまん性脱毛症と間違えやすい他の脱毛症

女性の薄毛の悩みとして「びまん性脱毛症」がよく知られていますが、実は女性に起こる脱毛症はそれだけではありません。症状が似ているためにびまん性脱毛症と間違えやすい他の脱毛症も存在します。正確な診断と適切な治療のためには、これらの脱毛症との違いを理解しておくことが重要です。ここでは、びまん性脱毛症と混同されやすい代表的な女性の脱毛症について解説します。まず、「女性男性型脱毛症(FAGA)」です。これは、男性型脱毛症(AGA)と同様に、男性ホルモンの影響が関与していると考えられている脱毛症です。びまん性脱毛症が頭部全体の髪が均等に薄くなるのに対し、FAGAは頭頂部や前頭部の分け目を中心に薄毛が進行しやすいという特徴があります。髪の毛が細く軟毛化し、地肌が透けて見えるようになります。更年期以降の女性に多く見られ、ホルモンバランスの変化が影響していると考えられています。治療法としては、ミノキシジル外用薬などが用いられることがあります。次に、「円形脱毛症」です。これは、自己免疫疾患の一種と考えられており、突然、円形または楕円形に髪の毛が抜け落ちるのが特徴です。1箇所だけの場合もあれば、複数箇所に発生したり、頭部全体に広がったり(全頭型)、全身の毛が抜けたり(汎発型)することもあります。びまん性脱毛症のように全体的に薄くなるのではなく、境界が比較的はっきりとした脱毛斑ができる点が異なります。ストレスが誘因となることもありますが、根本的な原因は免疫系の異常とされています。治療は皮膚科で行われ、ステロイド外用薬や局所注射などが用いられます。「牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)」も、特定の生活習慣が原因で起こる脱毛症です。これは、ポニーテールやきつい編み込みなど、髪を強く引っ張る髪型を長期間続けることで、毛根に負担がかかり、生え際や分け目などの髪が薄くなる症状です。びまん性脱毛症とは異なり、原因となる髪型を改善することで症状の進行を止めたり、改善したりすることが期待できます。

カテゴリー: AGA