女性のための薄毛対策法

2022年6月
  • AGA診断における医師の視点

    AGA

    AGA(男性型脱毛症)の診断は、専門医(主に皮膚科医やAGA専門クリニックの医師)によって行われます。医師は、患者さんの訴えやセルフチェックだけでは判断できない、より専門的な視点から総合的に診断を下します。診断のプロセスは、主に問診、視診、そして必要に応じて各種検査を組み合わせて行われます。まず、「問診」では、薄毛が気になり始めた時期、進行のスピード、自覚症状(抜け毛の量、髪質の変化など)、家族歴(特に父方・母方の薄毛の有無)、生活習慣(食事、睡眠、ストレス状況、喫煙・飲酒の習慣など)、既往歴、服用中の薬剤などについて詳しく聞き取りが行われます。これらの情報は、AGAの可能性を探るだけでなく、他の脱毛症(円形脱毛症、脂漏性皮膚炎に伴う脱毛など)との鑑別にも役立ちます。次に、「視診」では、医師が直接、頭皮や毛髪の状態を観察します。薄毛の範囲やパターン(M字型、O字型、U字型など、AGAに特徴的なパターンであるか)、毛髪の太さや密度、毛穴の状態、頭皮の色や炎症の有無などを詳細に確認します。この際、「ダーモスコピー(トリコスコピー)」という特殊な拡大鏡を用いて、毛髪の太さのばらつき(軟毛化の程度)、毛穴あたりの毛髪の本数、毛穴の炎症の有無などをより精密に観察することが一般的です。ダーモスコピー所見は、AGAの診断において非常に重要な情報となります。例えば、細く短い毛(軟毛)の割合が多い、毛髪の太さが不均一である、毛穴の周囲に炎症が見られるといった所見は、AGAを示唆するものです。必要に応じて、「血液検査」が行われることもあります。これは、甲状腺機能異常や鉄欠乏性貧血など、他の脱毛症の原因となり得る内科的疾患の可能性を除外するためです。これらの情報を総合的に評価し、医師はAGAであるかどうか、またその進行度(ハミルトン・ノーウッド分類などが用いられる)を診断します。正確な診断があってこそ、適切な治療法の選択が可能になるのです。