AGA(男性型脱毛症)の治療を開始した際に、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」という現象が起こることがあります。これは、治療が効き始めている証拠とも言えるのですが、抜け毛が増えることで不安を感じる方も少なくありません。初期脱毛のメカニズムと対処法について正しく理解しておくことが大切です。初期脱毛は、主にミノキシジル外用薬やフィナステリド・デュタステリドといった内服薬によるAGA治療を開始してから数週間から2ヶ月程度の間に見られることがあります。これは、薬剤の効果によって乱れていたヘアサイクルが正常化する過程で、休止期にあった古い髪の毛が一斉に抜け落ち、新しい健康な髪の毛が生えてくる準備が始まるために起こると考えられています。つまり、弱々しく成長が止まっていた髪の毛が、これから生えてくる太く強い髪の毛に場所を譲るために抜け落ちるのです。初期脱毛で抜ける毛は、AGAによって軟毛化した細く短い毛が多いとされています。抜け毛の量には個人差があり、ほとんど気にならない程度の人もいれば、一時的に薄毛が進行したように感じるほど多く抜ける人もいます。この期間は精神的に辛いかもしれませんが、治療が効果を発揮し始めているサインである可能性が高いので、自己判断で治療を中断しないことが重要です。初期脱毛は、通常1ヶ月から3ヶ月程度で自然に治まり、その後、徐々に新しい髪の毛が生え始め、治療効果が現れてきます。もし、初期脱毛の期間が異常に長かったり、抜け毛の量が極端に多かったりして不安な場合は、必ず担当医に相談するようにしましょう。医師は、現在の状態を評価し、適切なアドバイスをしてくれます。初期脱毛は、AGA治療の過程で起こり得る一過性の現象であり、これを乗り越えることで、その後の発毛効果が期待できるということを理解しておきましょう。